結論から言うと、Windows 10 バージョン1511でも、Microsoft Defenderの定義ファイル(セキュリティインテリジェンス)は最新版に更新されることを確認できました。
社内SEをしていると、「業務用の専用ソフトが古いOSでしか動かない」「入れ替えの予算がすぐに取れない」といった理由で、古いバージョンのWindows 10が残っている場面に出会います。そこで「せめてウイルス対策は効いているのか?」を実機で検証しました。
ただし、定義ファイルが更新されることと、そのPCが安全であることは別の話です。この記事では、推奨はしないものの、どうしても延命が必要な場合の考え方もあわせて紹介します。
検証環境はこちら。
Virtual Boxを使ってWindows10のバージョン1511の環境を構築しました。

定義ファイルの状態は、PowerShellを管理者で開いて次のコマンドで確認できます。
Get-MpComputerStatus | Select-Object AntivirusSignatureVersion, AntivirusSignatureLastUpdated, AMEngineVersion, AMProductVersion

• AntivirusSignatureVersion:定義ファイルのバージョン
• AntivirusSignatureLastUpdated:定義ファイルの最終更新日時
• AMEngineVersion:検知エンジンのバージョン
• AMProductVersion:Defender本体(プラットフォーム)のバージョン
更新後の定義ファイルのバージョンは、Microsoftが公開している最新版と一致していました。つまり、OSのサポートが終わっていても、Defenderの定義ファイル自体は届いている状態です。
なお、MicrosoftはWindows 10向けのDefenderの定義ファイルを、少なくとも2028年10月まで提供すると案内しています。ただしこれはサポート対象のバージョンが前提で、1511での更新は公式に保証されたものではありません。今後、予告なく更新できなくなる可能性もあります。
注意:定義ファイルが更新されても安全ではない
定義ファイルが届いても、バージョン1511の利用はおすすめしません。理由は次の3つです。
1. OSの脆弱性が放置されたまま:1511は2017年10月10日にサポートが終了しています。定義ファイルは「既知のウイルスを見つける」もので、OSの穴(脆弱性)を塞ぐものではありません。
2. Defender本体が古い:定義ファイルが新しくても、検知の仕組みを持つエンジンやプラットフォームが古いと、最新の攻撃手法を防げないことがあります。
3. 周辺ソフトも非対応になる:ブラウザや業務アプリ、プリンタドライバなどが古いOSをサポートしなくなり、そこが新たな攻撃の入り口になります。
「ウイルス対策ソフトが最新だから大丈夫」ではなく、あくまで「最低限の防御が1つ残っている」だけと考えてください。
どうしても延命する場合の対策
入れ替えまでのつなぎとして一時的に使うなら、次の対策を組み合わせてリスクを下げましょう。
• 入れ替えの期限を決める:「いつまで使うか」を先に決め、更新計画と予算に組み込みます。
• 用途を絞る:その業務ソフト専用にし、メールやWeb閲覧には使わないようにします。
• ネットワークを分ける:他のPCやサーバーと分離し、UTMやファイアウォールで必要な通信だけ許可します。
• 管理者権限で使わない:普段は標準ユーザーでログインし、不要なソフトを入れられないようにします。
• 外部メディアを制限する:USBメモリなどからの感染を防ぎます。
• 定義ファイルの更新を定期的に確認する:更新が止まっていないか、先ほどのコマンドで月に1回はチェックします。
• バックアップを取る:感染や故障に備え、データを別の場所に保存しておきます。
まとめ
Windows 10 バージョン1511でも、Defenderの定義ファイルは更新されることを確認できました。そのため、対策を組み合わせれば一時的に延命することは可能です。ただし、OSの脆弱性は放置されたままで、定義ファイルの更新も公式に保証されたものではありません。延命はあくまで「入れ替えまでのつなぎ」として考え、計画的にWindows 11への移行やPCの更新を進めましょう。
